平成26年3月5日(水)

安倍内閣の教育改革の課題と経過!

小林正先生

小林正先生

教育評論家、全国教育問題協議会顧問、元参議院議員

講話概要

 戦後、GHQの四大教育指令をはじめとする戦後教育改革によって、歴史・修身の中止や教育勅語の廃止等が行われた。主権回復後の教育政策は、日教組との闘争の歴史でもあった。その後、ゆとり教育の導入・児童の権利条約の発効などの政策によって、教育現場は混乱をきたしていた。そこで、教育再生の機運が高まり、第一次安倍内閣において、教育基本法改正を皮切りに、教育再生関連三法が改正された。具体的には、組織としての学校の力を強化する学校教育法の一部改正、教育委員会の活性化・役割の明確化を目的とした地方教育行政法の改正、教育免許更新制度の導入が行われたが、第一次安倍内閣が一年で退陣し、教育再生は頓挫した。さらに、政権交代によって、高校無償化、心のノートの配布中止、学力テストの抽出調査化など、日教組の意に沿った政策がとられた。
 第二次安倍内閣の発足により、再び教育再生への取り組みが、政府直属の教育再生実行会議を中心に進められることになった。その施策は、(1)いじめ防止対策推進法の成立。これにより、学校が講ずべき措置が明確化されたが、いじめを隠ぺいする体質は変わっておらず、責任体制を明確化させる必要がある。(2)教育委員会制度の改革。教育行政の最終責任を首長が負うか、教育長と教育委員長を統合した新教育長(仮)が負うかは検討中である。(3)大学教育改革、入学者選抜のあり方と、人材育成の方法論について、再検討する。(4)六・三・三・四制の改革。小学校入学を五歳からにする、高校の四年制化などが検討されている。その他、土曜日授業の再開、教科書改革、教員養成改革などが検討されているが、すべてを実行するには10兆円の予算を必要としており、その財源が問題である。
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