平成25年10月10日(木)

福島でおこっていること! そして日本経済の未来!

橋本久義先生

橋本久義先生

政策研究大学院大学名誉教授

講話概要

 放射線には、α線、β線、γ線、X線、中性子線がある。原発事故で怖いのはγ線とX線で、これらはセシウムやヨウ素から出る。特にヨウ素は体内に入るとずっと放射線を出し続け、甲状腺に蓄積して癌を発症させる。放射線が怖いのはDNA配列を変えてしまうからである。福島原発事故はいろいろ報道されているが、その報道外では、電力を供給している6万V用鉄塔が地震で倒れて電力供給ができなくなったこと。また、駆けつけた電源車は日本仕様の200Vだが、原発の電源はアメリカGE仕様の400Vであるために合わなかったこと。電源車のケーブルが短く原発まで届かなかったことなどが、原因であったとされ、また、福島原発の経過を時系列的に説明され、実は4号機が最も深刻な状態にあったこと等々を詳しく説明された。なお、チェルノブイリは燃料そのものが吹っ飛んだが、福島原発は燃料本体がなお原子炉内にあるので、比較すべきではない。原発廃止説があるが、廃炉にするとしても無害化まで年月と経費がかかるので、それなら、使いつづけた方がよいといえる。
 次に、日本再生のためには、大企業もだが、中小企業の活性化が必要と強調され、安倍総理が先ごろ試作開発補助金として中小企業含め1万社に1000万円ずつ出す政策をはじめたが、この発想は素晴らしい。安倍総理の政策を大いに期待したいとし、その後の質疑応答も盛んだった。

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