平成23年12月12日(月)

福島第一原発事故により、福島県下で、
医療・福祉・介護が崩壊している実情!

坪井永保先生 坪井永保先生
医学博士、福島市郡山市・坪井病院理事長
井坂晶先生 井坂晶先生
原発事故で立ち入り禁止の双葉郡・医師会会長、坪井病院勤務
講話概要

  まず、坪井永保先生から、3・11大震災時には、坪井先生の御父上(癌研究の権威、元日本医師会長・世界医師会長)坪井栄孝先生が、NHKテレビの取材を丁度受けている最中であったので、地震のすさまじい状況の映像があり、その録画が放映された。福島県における現状は、福島第一原発事故以降、放射能を恐れて、県内で働いていた常勤医師のうち30名が退職し、地域別では、相馬郡と双葉郡で44人減。郡山市でも15人減となっている。新人医師も研修先に福島県を避けるので、医師不足に拍車をかけている。そのため休業する病院や診療所もでており、福島県の医療は崩壊状態である。政府に、この現状をぜひ理解いただき、医師・看護師・介護士など補充・交代勤務を考えてほしい。また、放射能を恐れ児童や妊婦が県外退避し、産科や小児科をはじめ病院・診療所の経営が難しくなっているので、これへの財政援助の措置を講じてほしい、と切々と訴えられた。
  続いて、双葉郡医師会長の井坂晶先生も、映像や資料を駆使して、原発事故被災地の悲惨な現状を説明された。特に、避難指示が明確に出なかったため、双葉郡浪江町の住民は、原発の方や放射能飛散地へ向かった人が多かった。初めから「80キロ圏外退避」というような指示を出してほしかった。避難所では、一般人も要介護者も病人もゴチャ混ぜで、3月末ごろから感染症胃炎、上気道炎賞、インフルエンザ、水泡、ノロウイルスなど感染症対策に苦しんだが、なんとか食い止めることができた。こうした広域災害では、国が事前の対策を用意してほしい。 
ご案内状(pdf)  

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